機械漉きについて

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機械すきが和紙をもっと手に取りやすいものにします。

和紙と言えば

皆様は和紙と言うと、どんな印象をお持ちでしょうか。千数百年もの歴史を持ち、すべて手作業で作られ、国産の靭皮繊維を用い、職人の意匠をこらした、日本情緒あふれる温かみを持ったもの、という感じでしょうか。まさにその通りです。そして、それは格式高く、素晴らしいものです。

ただ、現代では、手漉きの現場や漉き手の減少、天然の原料の生産減、洋紙の普及による需要減により、一般の用途で手漉き和紙を使うには、いささか高額になってきてしまいました。

機械抄き和紙の開発

明治時代以降の洋紙の輸入・普及により、生産の近代化が図られ、機械抄き和紙が開発されました。

和紙の良さを機械で

和紙の良さは、その繊維の長さからくる温かみややわらかさです。
しかし、繊維の長いものを抄く機械の開発に苦労したそうです。最初は、比較的繊維の短い三椏を用いた紙を抄いていました。その後、20世紀中盤あたりより、長い繊維のものでも抄ける改良を、日夜加えてきました。

そして現在

温かみ、やわらかさを保ちつつ生産効率は上がりました。印刷適性の向上と風合いを兼ね揃えたものも出来てきました。価格面でも、よりお求めやすいように日々努力を続けています。

最新の設備

それでも、洋紙の生産能力には遥かに劣ります。繊維を長く残すために、微細な木の芽などを砕くことなく除去する必要があることも一因です。洋紙は繊維が短いため、ある程度のものは砕いて一緒に抄いてしまえますが、和紙はそうはいきません。 印刷など、後の工程を滞りなく進めるためにはとても重要な作業です。より高品質のものづくりのために、最新の設備の導入がなされています。

環境への配慮

また、水の違いが紙抄きには影響を及ぼします。水が冷たいときにはしまりのいい紙が出来るなどと言うこともあります。環境への配慮のため、浄水設備の充実にも注力しています。

前述の水や、気候など、産地、設備によっても、表情の違う和紙が出来てくるのも特徴です。日本各地の機械抄き職人たちの技が脈々と引き継がれて、現代に至っています。

機械抄き和紙は、日常に伝統と温かみをもたらします。 そして、それを入口とし、手漉き和紙という日本の伝統工芸に興味を持っていただく方が増えれば、こんなに幸いなことはありません。

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